排気量660ccのエンジンを積んで走り回る軽トラックの利点に、能登半島地震を機に注目が集まっている。荷台に商品を積み込んで「商店街」のような空間をつくったり、改造して悪路を走破するトイレカーになったり。復興につなげる活用法を語る研究者もいる。
石川県輪島市の仮設住宅近くの駐車場に9月初め、色鮮やかな3台の軽トラが並んだ。荷台には食料品や日用品。愛知大の学生や、自動車メーカーの従業員らが開いた「軽トラ市」に、被災した人たちも集まった。
愛知大三遠南信地域連携研究センターによると、軽トラなどの「店舗」が集まる定期的な市は、全国200カ所近くで開かれている。岩手県雫石町の地域おこしの取り組みが発祥とされる。
元日の地震では、輪島市の観光名所「輪島朝市」が火災で焼失するなど甚大な被害があった。戸田敏行センター長は「軽トラックに、輪島市内はもちろん、他の場所でも輪島朝市の魅力を再現できる可能性があることを知ってほしかった」と狙いを話す。
軽トラックは農村や漁村、山間地など過疎地ほど所有率が高まるという。同センターの研究では、軽乗用車の3台に1台が軽トラという過疎地域もあるという。
24日に愛知大生ら、輪島応援の「市」
戸田センター長は「輪島朝市…