Smiley face

 7月初旬、川崎市川崎区の東京湾に面したヤードに、軽トラばかり10台ほどが集まる一角があった。

 中古車販売会社「ジャパン・カー・ダイレクト」(千葉県)が欧米への輸出向けに保管しているものだ。

写真・図版
欧米に輸出する軽トラに囲まれるジャパン・カー・ダイレクトのバウワー・ジョン・スコット会長(左)とマット・マツジアック代表社員=2024年7月2日午前11時27分、川崎市川崎区、中野浩至撮影

 同社のジョン・スコット・バウワー会長(62)によると、米国での軽トラ人気は10年ほど前に始まった。

 燃費がよい▽小回りがきく▽モノをたくさん運べる――という点が受け入れられており、サーファーや酪農家、ハンターと購入層も幅広い。

「年季入った車ばかり」なのに

 米国では、製造から25年未満の中古車には厳しい安全基準が求められる。「25年ルール」と呼ばれるもので、日本から米国へ輸出できる中古の軽トラは年季の入ったものばかりになる。

 それでも「日本は乗る人も道路も車に優しいから、中古車の価値が最高だ」とバウワー会長は話す。

 日本は他国と比べて車検の水準が厳しく、制限速度も遅いこともあり、状態がよい中古車が多い。性能が高い軽トラであれば、40万~70万円程度で取引されるという。

 円安を背景に、同社の今年1~6月の売り上げは前年同期比で約15%増と好調だ。最近になって英国でも軽トラ人気に火がつき、同社が輸出する車両のおよそ4台に1台を軽トラが占めているという。

 日本独自の規格として進化した軽トラックが、欧米でブームになっています。円安の影響で勢いに拍車がかかり、関連部品の売れ行きも2年前の10倍に。米国でどのように使われているのか、現地の人に聞きました。

人気パーツは純正品

 エアバッグが標準装備になる…

共有