連載 さくらと暮らして
高齢者ら170人が1頭のヤギと暮らす海沿いの集落に記者が通い、いまの日本が抱える課題を見つめます。
- 【第1回】トランプ関税より過疎 高齢者とヤギの暮らす集落にとっての死活問題
ドンドコドンドコ、ドンドコドン――。7月21日の昼下がり、山口県光市室積村の伊保木地区。神輿(みこし)を積んだ2台の軽トラックが、太鼓の音を響かせながら山道を進む。
約40年前、夏祭りで神輿の担ぎ手がいなくなった。「年寄りばかりになってからは軽トラが頼り。急な坂道はきつくてねえ」。住民の男性(73)が教えてくれた。
神輿は5カ所の御旅所に立ち寄り、おはらいを受けた住民が神輿をくぐって無病息災を願った。
夏の風景が残る一方、「良き伝統」は陰りの色を濃くしている。
選挙での投票率の高さが地区…