Smiley face
写真・図版
消費財を展示する中国最大級の「中国国際消費品博覧会(消費博)」会場では、「輸出向けの良品を中国市場へ」を標語とした広いブースが設けられていた=2025年4月14日、海南省海口市、斎藤徳彦撮影
  • 写真・図版

 今年1~3月期の中国の国内総生産(GDP)は5.4%成長となり、政府の年間目標「5%前後」を上回る水準で走り出した。ただ、4月以降はトランプ関税が輸出を直撃し、先行きに暗い影を落とす。中国は計145%にも達する対中追加関税を「国難」と位置づけ、官民が一丸となって立ち向かおうとしている。

 中国最南の海南省で13日に開幕した「中国国際消費品博覧会(消費博)」。世界中の商品を集める中国最大級の博覧会で、国際ブランドが多数出展することでも知られるが、今年目立つのは中国企業の商品を後押しする姿勢だ。

 巨大なコンベンション会場の一角に「外貿優品中華行(輸出向けの良品を中国市場へ)」の文字が目立つ広いブースがあった。輸出を主に手がけてきた企業が国内向けに販路を切り替えるため、商務省の後押しで設けられた。

 海外で人気の衣類や食品、茶などの出展企業が、国内のバイヤーと真剣な表情で商談に臨んでいた。地元海南省の食品企業は、魚にニューオーリンズ風などの味付けをした冷凍食品を輸出してきた。担当者は「米国の関税は耐えられるレベルではなく、市場はなくなるだろう。中国国内と欧州への売り込みを急がないと」と語った。

 トランプ氏の対中追加関税で苦境に立たされる輸出企業を支えようと、中国政府は国内販路開拓への支援を強化し始めている。さらに政府の大号令のもと、多くの小売企業も次々と支援策を打ち出している。

 中国ネット通販大手の京東集…

共有