農協系の金融機関の農林中央金庫は20日、奥和登理事長(65)が3月末で退任する人事を発表した。資本増強や来期の黒字化にめどがついたことから、巨額の損失の責任を明確化するという。後任には北林太郎常務執行役員(54)が就く。
農林中金は、保有する欧米債の市場金利が上昇して債券価格が下落したことで、2024年4~12月期に1兆4145億円の純損失(前年同期は970億円の黒字)を出した。通期の損失額は1.9兆円に拡大する見通しという。
この日は奥氏と北林氏がそろって記者会見した。奥氏は「巨額の含み損を抱えた3年前から退任を考えてきた」と述べた。1.4兆円の資本増強や来期に300億~700億円の黒字を確保する見通しになったことから、「職責を全うした」と判断したという。
後任の北林氏は、1994年…