労災保険加入が任意の農林水産業の労働者に対し、労災保険制度を強制適用すべきかどうかについて、18日の厚生労働省の有識者研究会で議論があった。担い手不足が指摘される業界の労働環境改善に向け、強制適用が必要との意見が出された。
今回の議論では、農業の場合、主に労災保険の加入が任意となっている「個人経営で常時5人未満の労働者を使用する事業」が対象となった。
労災保険は原則、労働者を使用する全ての事業に適用されるが、小規模な農林水産業については1991年の法改正で「暫定任意事業」に残り、強制適用の対象外に。農繁期だけに労働者を雇うことが多く、実態把握が困難なことなどが理由だ。
この日の研究会では、東京大の笠木映里教授から「暫定任意事業の速やかな解消が必要だ」との意見が出された。一方、同志社大の坂井岳夫教授は「全面適用を目指すのは望ましい」と述べつつ、実態把握が難しい点を踏まえ、「運用面での課題を踏まえ検討が進められるべきだ」と指摘した。
未加入のリスク 農水省検討会が指摘
農林水産分野では担い手不足…