愛用のトランク、カメラ、サングラス=学習院大学史料館(霞会館記念学習院ミュージアム)蔵、撮影・瀧澤国敏

 山梨県ゆかりの作家、辻邦生(1925~99)の生誕100年を記念した特設展「時空を旅する作家 辻邦生展 生誕100年」が26日に県立文学館(甲府市)で始まる。国内や欧州を舞台とした長編小説をはじめ、数多くの作品を残した辻の素顔やその生涯を、展示を通して知ることができる。

 辻は東京生まれだが、父方のルーツが山梨県の旧春日居村(現・笛吹市春日居町)にあり、祖父の代まで医業を営んでいた。旧制松本高校時代からの親友、北杜夫(1927~2011)との生涯にわたる交友でも知られ、東京大学・大学院で仏文学を学び、パリ留学を経て作家の道を歩み始めた。

国内外を旅した作家

 初めての長編小説「廻廊にて…

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