(7日、第107回全国高校野球選手権滋賀大会1回戦 比叡山8―2近江兄弟社)
近江兄弟社の投手は俺もいる――。そう言っているような、力のこもった投球だった。
背番号10の内田悠斗投手(3年)。1年生の秋から右肩などのけがに泣かされてきた。投手陣を引っ張ってきたのが中田大貴主将(同)。内野手から投手に転向し、この夏は背番号1をつけた。
1回戦屈指の好カードとなった比叡山との初戦。先発した中田主将が4失点し、四回から内田投手が継投した。
公式戦のマウンドに立つのは昨夏以来。この回、136キロを出して自己最速を更新した。
「自分は中田の次に良い投手だという気持ちで投げた」
七回まで1失点に抑えて流れを持ってきたが、球威が落ち始めた八回に2点本塁打を浴びて降板した。
「内田の投球が巻き返しにつながった。頼もしかった」と中田主将。初戦敗退したが、内田投手は「監督にも恩返しがしたかった。やり切った」と話した。