近鉄名古屋線などに導入される新型の一般車両「1A系」=同社提供

 近畿日本鉄道は12日、2026年1月から名古屋線などで新型の一般車両「1A系」の運行を始めると発表した。名古屋線の一般車両で新型が登場するのは1997年度の5800系以来。同社の一般車両では初めて外観の塗装に青色を採用した。

 1A系は、24年10月から奈良線などで運行されている「8A系」をベースとし、山田線と鳥羽線を含む名古屋線系統のほか、大阪線にも導入する。アルミ製で長さ20メートルの4ドア車両は、更新対象となる昭和40年代から走ってきた従来車両と比較すると消費電力を45%削減できるという。

 外観は青色と白色のツートンカラーで、従来の赤色から変更された。担当者は「伊勢志摩につながる路線であり、当社のコーポレートカラーが青色ということで総合的に判断した。伝統を守りながら進化をしていくというのを表現したい」と説明する。名古屋線系統では今後、既存の車両も1A系と同様の塗装に順次変更するという。

 車内にはバリアフリー対応の多目的トイレを設置。座席は、混雑状況に応じて、窓際に沿った「ロングシート」と窓に直角になる「クロスシート」の配置を切り替えられる「L/Cシート」を採用する。また、扉付近にはベビーカーなどを使う乗客に対応するスペース「やさしば」を2カ所設ける。

 夏季や冬季の車内保温のため、乗客が扉を開閉できるスイッチを備えるほか、車内の防犯カメラを1両あたり4カ所に設置。非常通話装置が作動した際には、乗務員や運転指令者が映像をリアルタイムに確認して状況を把握するという。

 25年度は名古屋線系統に4両編成3本の計12両を導入する。

共有
Exit mobile version