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ベラルーシとの国境に設けられた鉄製のフェンスについて説明する、ポーランド国境警備隊員のミハウ・ブーラさん(左)とエベリーナ・レフコビッチさん=2025年4月23日、ポーランド東部クジニツァ、寺西和男撮影

 ウクライナの隣国ポーランドで6月1日、大統領選の決選投票が行われる。ロシア側による国内の不安定化をねらった「ハイブリッド攻撃」とみられる動きが続く中、安全保障が主要な争点だ。トランプ米政権が保守系候補に肩入れする動きを見せており、結果次第では、安保面で頼る米国との関係の見直しを迫られる可能性もある。

 ポーランド東部クジニツァで4月、監視カメラがついた高さ5.5メートルの鉄製フェンスの前を、数百メートルごとに銃をもったポーランド軍兵士らが不法入国者の警戒に当たっていた。186キロに及ぶフェンスの向こうは、ロシアの同盟国ベラルーシだ。

 「前日も延べ50人がフェンスを越えるなどして不法に入国しようとしたが、すべて防いだ」。国境警備隊のミハウ・ブーラさんは説明した。昨年1年間でベラルーシ側から不法入国を試みたのは延べ約3万人で、今年も4月までで約5500人に上った。拘束した不法入国者はベラルーシ側に追い返す。出身地は中東やアフリカなど様々で9割以上が20~40代の男性だという。

 ポーランドのトゥスク首相は…

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