日本銀行本店=東京都中央区

 日本銀行は19日、金融政策決定会合を開き、現在の政策を維持し、追加利上げを見送った。利上げ時期について、植田和男総裁は会見で、来年の春闘での賃上げ動向を見極める姿勢を示し、「次の判断を得るには、もう1ノッチ(段階)ほしい」と語った。外国為替市場では次回来年1月会合での利上げ観測が後退し、一時、約5カ月ぶりに1ドル=157円台まで円安ドル高が進んだ。

  • 植田総裁、利上げ判断「もう1ノッチ欲しい」 賃上げ見極めの姿勢

 日銀は、銀行間で短期資金をやり取りする金利(無担保コール翌日物)を0.25%程度の誘導目標に据え置いた。政策委員9人のうち、田村直樹審議委員が反対し、「物価の上ぶれリスクが膨らんでいる」として0.50%程度に利上げする議案を出し、否決された。

 植田氏は、経済と物価の見通しについて「ここ数カ月、想定通りで推移し、実現する確度(可能性)は多少上がってきている」と説明。今後、賃上げの持続性に加え、米国のトランプ次期政権の経済政策が与える影響を注視するとした。その上で、来年1月の利上げは「様々なデータを丹念にみて、会合ごとに判断する」と話すにとどめた。

 日銀内では、12月の利上げ…

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