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第39回京都賞を受賞したジョン・ペンドリーさん=11月12日、京都市左京区のザ・プリンス京都宝ケ池、桜井林太郎撮影

 第39回京都賞(稲盛財団主催)の先端技術部門を、自然界にない特性を持つメタマテリアルの実現方法を理論的に示した英インペリアル・カレッジ・ロンドンのジョン・ペンドリー教授(81)が受賞した。光を迂回(うかい)させ物体が見えなくなる「透明マント」も提案、世界中から注目されている。

 ――なぜこの分野の研究をするようになったのですか。

 レーダー波を吸収する材料をつくる企業のコンサルタントをしていたころ、非常によく機能する材料があった。なぜそうなるかが当初はわからなかったが、二つのモノを混在させたときに、賢く相互作用を及ぼすことができれば、全く異なる特性がでることに気づいた。AとBを混ぜたときにAとBがでてくるのではなく、AとBとそれらを超える何かが出てくる。それがメタマテリアルだ。

 ――どんなものに応用できますか?

 衛星通信分野で、向きを変える必要がなく静止させておくだけで受信できるアンテナなどにすでに使われている。将来的には、音響分野への応用が期待されている。例えば、病院でメタマテリアルでつくった可動式の遮音スクリーンを病床の患者の横に置いて、非常に静かな空間を提供できる。米ハーバード大のグループは、ナノレベルの構造を導入し、極限までに薄いレンズをつくった。カメラに応用すれば、もっと性能をよくできるだろう。アイデア段階だが、時空とともに特性が変わる構造材料なども考えられる。

 ――透明マントはどこまで実用化されていますか。

 可視光でも研究が進んでいる。英バーミンガム大学などが可視光で隠す透明マントをつくった。ハリーポッターのように簡単にまとえる布のようなものではなく、非常に分厚いが、可視光でも光を回避できている。

 ――透明マントは、レーダーを無力化する技術に応用できると、軍事的にも関心が寄せられています。

 強力な発明をすると、多くの応用がうまれる。いくつかの応用が軍事の方に流れることは避けることはできない。

 一番よくわかる例が原子力だ…

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