記者会見する経団連の十倉雅和会長=2024年10月22日、東京・大手町、木村裕明撮影

 来年の春闘の賃上げ目標をめぐり、労働組合の中央組織・連合が全体で「5%以上」、中小企業は「6%以上」とする方針を決めたことについて、経団連の十倉雅和会長は22日の記者会見で「連合の運動論として理解できる。経団連もぜひ持続的な賃上げを定着させたい。定着を合言葉に取り組んでいきたい」と述べた。

 連合が中小向けに全体より高い賃上げ目標を掲げるのは11年ぶり。全体の目標は5%以上と今春闘から据え置き、中小は大手との格差是正分として1%以上を上乗せしたが、今春闘でも大手と中小の賃上げ格差は広がっており、6%以上は高い目標になる。

 十倉氏は中小の賃上げ目標について「非常にチャレンジングな目標だが、格差を縮めるということで理解できる」「連合はあえて問題提起をされた。その心意気や良し」と評価した。その上で、目標達成には「中小企業の価格転嫁がスムーズに進むことが非常に大事になってくる」と指摘。非正規労働者の賃上げに向け、正規雇用の拡大や同一労働同一賃金の徹底に取り組む必要があるとの考えも示した。

最低賃金は「乱暴な議論はすべきではない」

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