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国民民主党の榛葉賀津也幹事長=2024年11月1日、国会内、岩下毅撮影

 連合静岡は4日、静岡市内で執行委員会を開き、来夏の参院選に立候補を予定している国民民主党幹事長で現職の榛葉賀津也氏の推薦を決めた。ただ、連合静岡を構成する静岡県教職員組合(静教組)は国民民主や榛葉氏に反発しており、国民民主を支援する労組との間にはすきま風が吹いている。

 発端は11月18日付の静教組の決定だ。

 静教組は、10月の衆院選前後の国民民主の対応を「立憲民主党、国民民主党と連合による政治勢力の再結集をほごにするとともに、自公政権の延命を図るものであり看過できない」と批判し、支持政党から国民民主を除外し、今後の選挙で所属議員や立候補予定者を推薦しない方針を決めた。

 榛葉氏が「立憲共産党」と発言したことにも「日教組、静教組の推薦国会議員は立憲民主党所属であり、静教組を『共産党扱い』したものと受け止め、遺憾の意を表明する」と批判し、静教組中央執行委員会が解除を認めるまで、榛葉氏と田中健・党県連会長は推薦議員としての連携を休止するとしていた。

 静教組のこの方針を受けて、連合静岡は11月の執行委員会では榛葉氏の推薦協議を見送った。

 これに対し、榛葉氏は11月29日の記者会見で「(東京都知事選など)共産党と立憲が極めて高くシンクロしているところで、その表現を使った」とし、「静岡県の立憲の議員らに対して言ったつもりは一度もない」と釈明していた。

 連合静岡の角山雅典会長はこの日、榛葉氏の推薦について記者団に「国民民主党の幹事長として、また静岡県民のために汗をかいていただいていることを評価した」と説明した。そのうえで「推薦が決まり、参院選に向けて一枚岩でやっていく」と述べた。

 国民民主党県連の清水唯史幹事長も「(榛葉氏の)活動がしっかりとした形で認められて、県連としてもありがたい」と安堵(あんど)した。

 ただ、今回の連合の決定は全会一致ではなく、静教組は「保留」としたという。

 静教組幹部は「国民民主側に立憲、連合と三者で頑張っていく姿勢が見えなければ、(支持政党から除外した)方針を解除することはできない」と話しており、参院選に向けて両者がわだかまりを解消できるかも焦点となりそうだ。

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