埼玉県八潮市で1月に起きた道路陥没事故。発生から3カ月が過ぎた5月2日、トラック運転手の男性とみられる遺体が発見された。なぜ救助活動の再開には時間がかかったのか。元東京消防庁職員の坂口隆夫・市民防災研究所理事に聞いた。
- 下水道管で遺体を発見 八潮の道路陥没 家族「信じること出来ない」
――トラック運転手の男性の救助活動はどうして長期化しているのでしょうか。
陥没穴の側壁が崩れやすかったことと、下水道の水が噴き出してしまったことに原因があると思います。こうした状況では消防隊員が二次災害に巻き込まれる危険性が高く、安全確認ができない限り、活動をすることは困難でした。
インタビュー後半では、消防による事故発生直後の救助活動や今後の対策についても聞きました。
――救助のためにさまざまな工事が実施されてきました。
専門家の協議を経て、救出用の穴を掘削する工事などが進められてきました。これは間違いではなかったと思いますが、なぜ救助に3カ月もかかるのかという疑問は多くの方が持っていると思います。
ここまでしっかりした工事をしなければ救助作業に移行することができなかったのか疑問です。道路陥没の復旧作業ではなく、生き埋めになった人の救助作業です。要救助者の救助を最優先に考えた活動であったのか検証が必要です。
運転席がある位置はすでに確…