6月に堺市にある国内最大級の前方後円墳「大山(だいせん)古墳」(伝仁徳天皇陵)の副葬品が見つかったと発表され、注目を集めた。宮内庁が歴代の天皇、皇后、皇族の墓やその候補として管理する巨大な「陵墓」は、一般の立ち入りが禁じられている。
だが時に、その内部や副葬品の姿が明らかになり、貴重な資料となることはこれまでにもあった。
記者たちの古都こぼれ話
お寺、神社、遺跡にお祭り。京都や奈良など古都を駆け回る歴史や文化財の担当記者が、聞きかじったことや、掘り下げたお話を紹介します。
7月上旬に大阪市内であった古墳についての講演会でも、陵墓の副葬品が話題にあがった。奈良県立橿原考古学研究所の学術アドバイザー・岡林孝作さんが語ったのは、奈良市にある全長207メートルの佐紀陵山(さきみささぎやま)古墳の「事件」についてだった。
宮内庁が第11代垂仁天皇の皇后・日葉酢媛命(ひばすひめのみこと)の陵とする古墳だ。
押収された鏡や石製品
1916(大正5)年、この古墳をあばいていたグループが、警察に現行犯逮捕された。
大阪、京都、奈良の府県境で…