Smiley face
写真・図版
修学旅行先で白川茶を売り込んだ白川中学校の3年生4人=岐阜県白川町
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版
  • 写真・図版

 岐阜県の山あいにあり、人口減少率が県内で最も高い白川町で、地元の中学校が「町の持続可能性を探る」をテーマにしたユニークな修学旅行を実施している。この秋に訪れたのは大阪。地域の活性化を願う生徒4人のアイデアが思わぬ縁もあって実を結んだ。

 人口約7千人の白川町は、緑豊かな自然にあふれ、茶の栽培が盛んな山村。ただ、深刻な過疎化に直面しており、2050年の推計人口が20年比で58.2%減と人口減少率が県内で最も高く「消滅可能性都市」にも挙げられている。

町の活性化のヒント探して

 町中心部にある白川中学校では、昨年から修学旅行のテーマに「町の持続可能性を探る」を盛り込んでいる。町内の企業でつくる団体「白川ワークドット協同組合」と学校が協働し、1年生で地域の特徴を学び、2年生では町内での職場体験も行って町の産業への理解を深める。3年生の修学旅行ではその集大成として、1日を使い、事前に調べた場所に行き、町の活性化などのヒントを探っている。

 今年の修学旅行は9月11~13日の3日間。まず広島で平和学習を行い、その後、大阪に移動。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンを訪れた後の3日目を、大阪市内での「持続可能性を探る」ための自主的な学びの時間にあてた。3年生計38人は12グループに分かれて、「現地住民との交流を売りにする大阪の旅行会社を訪れ活性化のヒントを探る」など旅行前にそれぞれ計画を練った。

 青木來海(くるみ)さん、杉山愛依実さん、鈴村江怜菜さん、安江真奈さんの4人のグループが考えた具体的なテーマは「特産品の白川茶をPRするヒントを探る」。白川町は昼夜の寒暖差が大きく、水はけの良い土地を生かしたお茶の栽培が盛んだ。小学生は茶摘み体験をし、白川中にはいつでもお茶が飲める「給茶機」があるなど、白川茶は身近な存在だ。

 4人は「白川茶をPRできるような、おしゃれなカフェをつくれないか」と考えた。ネットで調べ、植物に囲まれた外観にひかれて、大阪・梅田駅近くにある「cafeゆう」を訪問することに。陶磁器の工房も兼ねた店で、事前に連絡して、店員にインタビューをさせてもらう約束も取り付けた。

 当日は、店内でカフェラテなどを飲みながら店を見学したり、店員に話を聞いたりしたが、実は4人には、温めていたアイデアがあった。

授業で作ったティーバッグを…

 白川中では、授業の一環で白…

共有