「おじさんLCC」
LCCといっても格安航空会社(ロー・コスト・キャリア)ではありません。「Life(ライフ)」「Career(キャリア)」「Community(コミュニティー)」の頭文字をとった造語で呼ばれる、中高年のための居場所があります。
定年前後の世代が集い、働き方や生き方を語り合ううちに、前向きな選択へと背中を押してくれる場で、会員が続々と増えているそうです。どんな場所なのでしょうか。
横浜市の金治淳一さんは今年4月、クレジットカード情報のセキュリティーを監査する会社に転職を果たした。61歳。「自分でも驚く結果」を引き寄せるパワーをくれたのが、「おじさんLCC」だった。
入会したのは、LCCができて間もない2020年秋。データセンターの所長を務めていた金融機関で60歳の役職定年を迎えるまで、あと2年半というタイミングだった。
活動はオンラインのZOOMがベース。月に1度の定例会に参加すると、転職活動に失敗したり、起業したが軌道に乗らず悩んでいたりする「同世代」が、経験や思いを語り合っていた。
会社を辞めた後の仕事につながればと、自分も保育士と電気工事士の資格を取っていた。定年後に不安を感じているのは自分だけではないと分かり、どこか安心した。
有志の会員がリレー形式で書き込むブログ「おじさん本音トーク」が始まり、「もやもや部会」「転職・就活部会」など部活動も立ち上がった。背中を押されるように、自分も動き出した。
経済産業省やデジタル庁、東京都など、採用に年齢制限がない公務員の求人を中心に20件近くに応募したが、すべて不採用だった。
そうするうちに役職定年を迎えた。ひとまず「シニア社員」として継続雇用される道を選んだが、63歳までの給与は定年前の約4割減に、それ以降65歳までは約7割減になり、追加の雇用延長もなかった。
しだいに気持ちがなえた。
ブログで「転職活動宣言」をして、12人の会員とともに「セカンドキャリア・ブートキャンプ」に参加した。3カ月の間、集中してキャリア開拓に励むプログラムだ。
ブートキャンプの成果はいかに。LCCで「覚醒」し、前向きに定年後を開拓するメンバーの中心に、一人の女性がいました
鎌倉市の副業人材募集に応募…