開催中の大阪・関西万博を、重い病気や障害を抱える子どもたちもオンラインで体験できる「どこでも万博」が27日、大阪市の市立総合医療センターで開かれた。
同センターと約15キロ離れた大阪・夢洲の万博会場にあるイタリア館をつないだ。「チャオ」と声をかけると担当者が応じ、展示を説明。子どもたちがクイズに答える場面もあり、会場は笑顔に包まれた。
小児病棟に入院している子どもと家族ら計76人が参加した。宮武音羽さん(16)はダウン症と低酸素脳症で寝たきりの生活が続く。万博は開幕初日に予約していたが、昨年末から白血病で入院し、行けなかった。27日は両親、中学生の妹と4人で参加。家族みんながそろうのも久しぶりだという。母の亜紀さん(46)は「臨場感があった。音羽も少しびっくりしているみたいだったけど、楽しそうだった」と喜んだ。
「行きたくても行けない人も受け入れるのが万博ではないか」と考え、企画した同センター小児脳神経・言語療法内科の岡崎伸部長は「特に入院中は我慢が多いけど、できることもあるんだと感じてもらえたらうれしい」。今後、福岡や神奈川の病院でも開催予定だ。