楽天・三木肇監督の采配に「聖域」はなかった。
20日、盛岡・きたぎんボールパークであった西武戦。
試合前まで13打席無安打だった浅村栄斗を最後まで起用せず、歴代4位、パ・リーグ記録の連続試合出場が1346で途切れた。
ときに個人記録が優先されがちな日本球界において、大記録を止める決断はたやすいことではない。
試合後の三木監督の口調からも、その重みが伝わってきた。「球団、GM(石井一久ゼネラルマネジャー)含めて総合的に判断したというのが僕が言えること」
浅村を気遣ってだろう、明確な理由を口にすることは避けた。
ただ、こうも言った。
「今シーズンは状態の悪い選手がいたらファームで調整させている」
確かに、昨季12球団で唯一フルイニング出場した小郷裕哉には、開幕早々に2軍での調整を命じた。
一方で、2千安打までカウントダウンに入った浅村が4月下旬に自己最長となる35打席連続無安打と調子を落とした際は先発で起用し続けている。
一定の敬意を払ってチャンスを与えたうえで、結果を残せなければ、実績十分の浅村でも先発から外されても仕方ない。
当人も「結果がすべてのスポーツ。結果が出せなかったら試合に出続けるのは難しいと思って毎年やってきた」と現実を受けとめていた。
- 楽天・浅村栄斗を変えた意識 時に輝き、「真に受け」戸惑った時も
チームの勝利か、個人記録か。
そのはざまで悩んだ監督を取材したことがある。
2010年シーズンの阪神・…