不比等・光明子邸で使われた可能性がある土器=奈文研提供

 奈良文化財研究所(奈文研)が奈良市法華寺町で実施した発掘調査で、奈良時代前期の塀の跡や、瓦、土器などを捨てた土坑(穴)が見つかった。平城京遷都を主導した政治家・藤原不比等(ふひと)(659~720)や、娘の光明子(光明皇后、701~760)の邸宅に関わる発見として注目される。

 調査地の周囲は、710年の平城京遷都直後には不比等の広大な邸宅があったとされる場所。それを光明子が引き継ぎ、729年に聖武天皇の皇后になった後は皇后宮に改築。745年以後にはこの土地に総国分尼寺(にじ)の法華寺が創建された。

 一方、不比等・光明子邸の北東隅にあって「隅寺(すみでら)」と呼ばれた寺は、現在の海龍王寺となった。

 発掘は2022~23年に…

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