サッカー日本代表が15日、2026年に開かれるワールドカップ(W杯)のアジア最終予選でインドネシア代表と対戦する。インドネシアは代表選手27人のうち、半数近くがオランダから国籍を変更した選手だ。植民地支配を受けた歴史を「利用」し、W杯出場を目指す。
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「日本戦までにインドネシア国籍を取得させたい選手がいるが、手続きが間に合いそうにない。政権交代があったのが痛い」。10月下旬、インドネシアサッカー協会の幹部は焦っていた。
現地メディアによると、外国籍の人がインドネシア国籍を取得する手続きは複数の省庁にまたがり、国会の承認も必要だ。現地では10月に新大統領が就任し、省庁再編や大臣の交代で、手続きに遅れが生じていた。
でも、この国には特別な方法がある。関係者によると、一般の人の国籍取得手続きには通常5年以上かかるが、国の代表選手ならば、政府の協力で「数週間、数カ月単位で完了できる」という。
今回もサッカー協会が政府をせかすと、事態は一転。試合直前の11月8日、デンマーク1部リーグでプレーするオランダ国籍のケビン・ディクス選手の手続き完了が発表された。母方の祖父母がインドネシア出身だという。
代表チーム強化の「供給源」
近年インドネシアサッカーが強くなったといわれる一因は、この「スピード国籍取得」にある。
専門家によると、同協会は2…