高校野球の対外試合が1日、全国で解禁となり、今月18日に開幕する第97回選抜大会の出場校が各地でシーズン初の練習試合に臨んだ。秋の四国大会を制し、4年ぶり21回目の選抜に出場する明徳義塾(高知)は同校グラウンドで英明(香川)と対戦し、5―2で勝利した。
「初戦やったら、こんなもんでしょう。バントを全部初球で決められたのはよかった」。明徳義塾の馬淵史郎監督は淡々と振り返った。
力試しの相手は、2年連続で全国選手権に出場している強豪校。一時は追う展開だったが、相手のミスに乗じて逆転に成功した。先発したエース池崎安侍朗(2年)は直球が最速138キロを計測。8回2失点に抑えた。
それでも、池崎の表情はさえなかった。「久しぶりの対外試合で緊張して、球がばらついた」。被安打8で、与四死球2。この冬は1日の食事を4~5回に増やし、体重が増えたことで球威もアップした。ただ、生命線のコントロールが乱れただけに、「課題はまだまだある」と反省した。
昨夏の甲子園は、初戦を95球で完封。2試合を1人で投げ抜いた。秋は国民スポーツ大会、四国大会を制し、神宮大会は優勝した横浜に準々決勝で敗れたが、2失点で完投した。
キレのあるスライダーとチェンジアップを武器に抜群の安定感を誇り、世代屈指の左腕として注目が集まる。本人は「そんなにすごくない」と否定。「周りが打って守ってくれるから勝てるだけ。1点を取ったら、その1点を守りたい」と、明徳の信条である「守り勝つ野球」を意識する。
今春の選抜で、馬淵監督は歴代最多39度目の甲子園出場となる。「夏(の甲子園)しか優勝していないので、初めて春で優勝したい」と池崎。恩師の節目となる大会に、華を添えようと意気込んでいる。