(26日、春季高校野球埼玉県大会2回戦 聖望学園4―1浦和実)
今春の選抜大会で初出場ながら4強入りした浦和実が、春の県大会の初戦で姿を消した。秋の県大会で破っていた聖望学園に1―4で敗れた。夏の埼玉大会はノーシードからの出場となる。
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序盤から、重苦しい展開だった。
選抜4強の原動力になったエース左腕の石戸颯汰は、状態が上がらずベンチ外。先発は甲子園で登板のなかった角国純也に託した。「普通に投げてくれりゃと思ったけど、初回がね……」と辻川正彦監督は振り返る。
一回、先頭打者に二塁打を浴びた。死球で好機が広がり、失策絡みで2失点。甲子園で見せていた「守備からリズムを作る」野球が崩れると、打線の歯車もかみ合わない。低めの変化球に苦戦し、わずか5安打9三振。内野ゴロの間に1点を奪うのが精いっぱいだった。
辻川監督は「疲れとか油断とか、そういうのじゃない」と選手をかばったが、主将の小野蓮は「普段の練習から、(選抜)ベスト4の悪い部分が出ていた」と話した。
「自己満のバッティング練習とか、声を出さないとか、団体行動ができないとか。全員で同じ方向を向けていなかった。自分の責任です」
エース不在については「『石戸が投げないと勝てない』っていう評価になってしまうのが悔しい」と話した。
周囲の予想を上回る快進撃から1カ月。再び甲子園へたどり着くことの難しさを、思い知らされた。