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和歌山大会 智弁和歌山―市和歌山 一回に先制打を放った智弁和歌山の荒井優聖=紀三井寺、室田賢撮影

 (23日、第107回全国高校野球選手権和歌山大会準々決勝 智弁和歌山7―0市和歌山)

 智弁和歌山の打線から快音が止まらなかった。

  • 横浜が取り戻した伝統 渡辺・小倉コンビから村田監督が学んだこと

 八回で13安打7得点。市和歌山との選抜出場校対決は八回コールド勝ちという大差がついた。

 市和歌山の先発丹羽涼介(2年)は、選抜で優勝した横浜(神奈川)に6回3分の2を投げて1失点に抑えた。この日も最速149キロを計測した長身右腕を、智弁和歌山の打者は試合開始直後から攻め立てた。

 一回2死二、三塁で5番・荒井優聖(2年)が左打席へ。「監督からは『体の近くで打った方が逆方向に打ちやすい』と言われていた」。1ボールから左前に運び、2人の走者をかえした。

 さらに一、三塁の場面では、右打者の7番・山田凜虎(2年)が2球目の直球をはじき返した。鋭い打球は二塁手の横を抜けていき、適時二塁打に。「バットの芯に当てれば、逆方向でも強い打球がいく」と胸を張った。

 チームの全安打のうち、半分以上が中堅方向、あるいは打者の打席とは逆方向への打球だった。智弁和歌山の選手たちは「速球を狙っていた」と口をそろえた。

 中谷監督は「目の慣れは大きい」と語る。

 丹羽攻略のために、智弁和歌山はあらゆる準備をした。実戦形式の練習では最速150キロを超える宮口龍斗(3年)ら、直球に力のある投手が「仮想・丹羽」を演じた。打撃マシンも、150キロ近い球速に設定して打ちまくった。

 投げてはエース渡辺颯人(3年)が八回途中を無失点に抑えるなど、ここまで攻守に隙がない。

 県内最大のライバルを圧倒し、2年連続の夏の甲子園まで、あと2勝に迫った。=紀三井寺

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