自民党の「氏制度のあり方に関する検討ワーキングチーム(WT)」の会合で発言する逢沢一郎座長(中央)=2025年5月28日午後2時2分、東京・永田町の党本部、岩下毅撮影

 選択的夫婦別姓の導入をめぐり、自民党と立憲民主党の国会対策委員長が28日に会談し、立憲、日本維新の会、国民民主党のそれぞれの案について、30日の衆院法務委員会で審議入りすることで合意した。ただ、野党の対応が割れ、結論を先送りする自民、公明両党も野党案には賛成しない方針のため、成案を得る見通しは立っていない。

 別姓制度に関する法案が議論されるのは1997年以来。当時は審議未了で廃案になっている。

 別姓制度をめぐっては、すでに立憲が導入を認める法案を、維新が旧姓の通称使用を法的に位置づける法案をそれぞれ衆院に提出。28日には国民民主が独自案を提出した。

 国民民主案は別姓制度を導入し、婚姻のタイミングで子どもの姓が決まるとの骨格部分で立憲の法案と重なる。婚姻時に戸籍の「筆頭者」を決め、子どもは全員その姓にそろえる内容を加えた。玉木雄一郎代表は「現行制度から最小の変更だ」としており、他党に理解を求める考えだ。

 衆院では与党が過半数割れをしており、野党が一致して対応すれば、別姓制度が実現する可能性があった。だが、主要3野党の足並みが乱れたことで、いずれの案も過半数を得ることはすでに困難な情勢となっている。特に維新案は別姓制度の導入とは異なり、立憲や国民民主案との差異が大きい。

 与党が野党案のいずれかに賛成すれば可決する可能性もあるが、党内の意見が割れる自民は、すでに結論の先送りを決めている。

反対派と推進派で割れる自民、「党議拘束」を狙うも…

 28日には「氏制度のあり方…

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