選択的夫婦別姓を導入する立憲民主党と国民民主党の各法案と、旧姓の通称使用を法制化する日本維新の会の法案に関する参考人質疑が10日、衆院法務委員会で行われた。推進・慎重両派の参考人5人がそれぞれ意見を述べ、選択的別姓か旧姓使用拡大かなどをめぐって鋭く対立した。
意見を述べたのは、旧姓使用拡大などを支持する椎谷哲夫・元東京新聞編集委員(自民推薦、以下カッコ内は推薦政党)と、作家の竹田恒泰氏(維新)。選択的別姓を求める経団連の次原悦子・ダイバーシティ推進委員長(立憲)、連合の小原成朗・総合政策推進局長(国民民主)、布柴靖枝・文教大教授(公明)。
- 【インタビュー】旧姓の通称使用法制化は夫婦別姓の阻止ツール
「(現状で)困っている人はいない。いたとしても少数だ」。竹田氏はそう主張し、旧姓の通称使用拡大や法制化で対応できると述べた。椎谷氏も、通称使用の拡大により、多くの課題は解決済みとの認識を示した。
これに対し、小原氏は「希望する人が自分の名字を名乗り続けられるかは、個人の尊厳や人権に関わる重要な問題だ」として、旧姓使用では人権尊重の要請に応えられないと指摘した。次原氏は、夫婦同姓制度が続く限り、「姓が変わることによるアイデンティティーの喪失感を拭うことはできない」と訴えた。
推進派の参考人からは、別姓を選べないことが、若い世代にとって婚姻の妨げになっているとの声も相次いだ。一方で慎重派は、選択肢が増えることで婚姻の合意に至らず、かえって障壁になると強調した。
「子どもの心に悪影響ない」
慎重派が主張する「子ども」…