20日に投開票があった参院選香川選挙区(改選数1)で、自民現職の三宅伸吾氏(63)は、選択的夫婦別姓に賛成する主張を「封印」し、3選に挑んだ。結果は落選。自民党がかつての勢いを失うなかで行われた選挙戦を振り返った。
「さらに議論を深めるべきだと考える」「個人の意見はあるが、党の意見が固まっていない」
参院選の公示を控えた6月下旬、立候補に向けた記者会見に臨んだ三宅氏は歯切れが悪かった。選択的夫婦別姓について選挙戦でどう訴えるか、質問を受けた時だ。
その後の報道各社による候補者アンケートで、三宅氏は選択的夫婦別姓に関する項目は、無回答だった。選挙戦が始まっても、演説などでこのテーマに触れることはなかった。
推進派として自民に議連立ち上げ
昨年までは違った。
元日本経済新聞記者で、2013年に香川選挙区で初当選した三宅氏は、2期目の21年3月、参院予算委員会で、党内で意見が割れている選択的夫婦別姓について賛成の立場で質問し、注目された。「国会議員の考え方を有権者は知りたいところだ」として、同席した麻生太郎財務相(当時)ら閣僚にも見解を問う姿は、制度導入を求める人たちから共感を集めた。
党内の仲間と「選択的夫婦別氏制度を早期に実現する議員連盟」を立ち上げると、共同事務局長に就任した。
昨年末の朝日新聞のインタビューでは、結婚時に、氏をどうするかで悩んだことが取り組みのきっかけと振り返り、「女性活躍と多様性を包摂することが大事な現代で、自民党は、この問題の立法の過程に積極的に深く関与したほうがいい」と語っていた。
一転、口を閉ざしたのはなぜか。
応援の支援者は反対の立場
三宅氏の周辺を取材して見え…