岸田文雄首相と会談後、取材に応じる公明党の山口那津男代表=2024年6月11日午後0時59分、首相官邸、岩下毅撮影
  • 写真・図版

 自民党が裏金事件の影響で各地の選挙で連敗する中、公明党が「ご都合主義」と言われかねない対応を続けている。連立関係を壊す気はないが、選挙で自民と共倒れになるわけにはいかない、との判断があるからだ。

 11日昼、首相官邸で岸田文雄首相との定例の昼食会を終えた山口那津男代表は記者団に「岸田政権のもとで連立政権合意をつくり、政権を運営するのが公明党の立場。自民党の中の意見は静観すると(首相に)申し上げた」と語った。4月の衆院3補選や5月の静岡県知事選などで、自民の公認・推薦の候補が相次いで敗れるなか、党横浜市連や党青森県連など地方組織の集会で、首相退陣を求める声が公然と飛び出しており、昼食会ではそんな話題も出たようだ。

 この日の山口氏は連立関係を重視する冷静な語り口だったが、2日前は違った。9日の沖縄県議選での街頭演説では、政治資金規正法の改正議論を振り返り、「自民党はなかなか具体策を出さずグズグズし、あっちの補欠選挙、こっちの知事選挙と、どんどん負け続けた」と対応の遅れを痛烈に批判した。公明は現有2議席の倍増を狙っており、中堅議員は「うちも必死。自民が地方で負ける中、あおりは受けたくない」と吐露する。

 20日告示の東京都知事選で…

共有
Exit mobile version