飼い主を亡くした「てんちゃん」はいま堀池さん夫妻のもとで暮らす。吉本由美子さん(中央)は「シニア猫の扱いに慣れている方にお任せでき、安心です」と笑顔を見せる=大阪府泉大津市、滝沢美穂子撮影
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 大阪市西区立売堀(いたちぼり)のマンション1階に入る事務所を訪ねると扉を開けた途端、目の前をサッと猫が横切った。「まぁちゃんて言います。推定16、17歳のおばあちゃん。元野良だったからすぐ隠れちゃう。ここで人慣れ訓練してます」

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 まぁちゃんは街の片隅でほかの猫たちからいじめられていたのを、見かねた女性に保護された。女性は高齢の母親と暮らしていたが、2022年春、60代半ばで亡くなった。残された母親は認知症になり、まぁちゃんはこの事務所にやってきた。

 飼いきれなくなった犬や猫は多くが地方自治体に引き取られ、新たな飼い主が見つからなければ殺処分される。全国的に引き取り理由の上位を占めるのが飼い主の高齢や病気、入院そして死亡だ。だが女性は、がんで余命宣告されたのを機にNPO法人ペットライフネットが用意する「わんにゃお信託」の契約を結んでいた。おかげで、まぁちゃんの命はつながった。

「せめてフード代だけでも残してやりたい」

 「高齢者でも安心してペット…

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