石川県の能登半島を襲った豪雨では、氾濫(はんらん)した輪島市久手川(ふてがわ)町の塚田川周辺の捜索で25日午前、女性の遺体が見つかった。安否不明になっていた井角(いかど)祐子さん(68)。夫・隆さん(70)は「怖かっただろうな」と妻を思いやった。
朝から再開された捜索を見守っていた隆さんは、消防から発見の知らせを受け、状況の説明を受けた。堆積(たいせき)した土砂や流木の中から祐子さんが普段乗っていた車が見つかり、近くで女性が発見された。この時点で身元は特定されていなかったが、背格好などの説明から「間違いない」と確信したという。隆さんは「よく見つけてくれたという感謝の気持ちです」と話した。
雨が激しくなった21日午前、井角さん夫妻は自宅から避難する準備をしていた。しかし、川の水があふれて困難に。「2階に上がって」。車を動かそうと外に出ていた隆さんは、自宅1階の窓辺にいた祐子さんにそう伝えたが、隆さんが隣家の2階に避難したその時、鉄砲水が起き、目の前で自宅が流されていった。
「怖かっただろうな。ただ一…