被爆そして戦後80年の節目にあわせて、原爆の悲惨さを訴える特別展「ヒロシマ・ナガサキ原爆・平和展」が22日、大阪市中央区の大阪国際平和センター(ピースおおさか)で始まった。
- まとめて知る原爆 被爆80年、被爆者の思いは?世界の核兵器は?
特別展は同館が、広島市と長崎市と共同で開いた。会場には、長崎で被爆した18歳の女性が亡くなったときに着ていたブラウスや、広島で被爆し12歳で亡くなった佐々木禎子さんが闘病中に折った折り鶴、広島の爆心地近くで発見された変形したビンなどが並ぶ。
いずれも、広島平和記念資料館(広島市)と長崎原爆資料館(長崎市)の収蔵品で、写真や体験画なども含めて約60点を展示している。
この日あった式典で、松井一実・広島市長は「人々が暮らす街に原爆が投下され、一瞬にして命と生活を奪ったことを如実に示す遺品が並んでいる。キノコ雲の下で何が起こったか知ってもらい、核兵器の非人道性に思いをはせてもらえれば」と話した。
吉村洋文・大阪府知事は自身の祖母が広島で原爆を見たことに触れ、「当時のことを知らない世代が増えるなかで、事実をきちんと伝えることが重要。(大阪で万博が開催中で)多くの人が訪れる時期だからこそ、ぜひここで被爆の実相を知ってもらいたい」と話した。
特別展は12月27日まで。大人250円、高校生150円、65歳以上、中学生以下、障がい者は無料。休館日や開館時間などの問い合わせは、ピースおおさか(06・6947・7208)。