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 全国の遺跡で確認された地震痕跡の情報を集めたデータセットを、奈良文化財研究所(奈文研)が更新した。今年1月に発表したセットでは正確な位置情報が付いていた検出地点は326地点だったが、今回は1620地点に増加。これにより、地震痕跡が多い場所の共通点が見えてきたという。

 奈文研の村田泰輔主任研究員は、同研究所が持つ全国の遺跡発掘調査報告書(約13万2千件)の情報を集めたデータベース「全国文化財総覧」で、「地震」「断層」「液状化」のキーワードを検索。発掘調査で確認された地震痕跡約1670件を抽出した。その遺跡名や掲載された報告書名などを表計算ソフトや地図アプリで活用できるデータセットにして今年1月、発表した。

 しかし、その段階で正確な緯度・経度のデータが入力されていたのは326地点で、地震痕跡の分布傾向を議論するにはまだ不十分だった。その後、スタッフ3人がデータの更新を進め、今回のデータセットではおよそ5倍の1620地点まで増やすことができたという。

かつて大阪平野にあった湖を調べると…

 その結果、地震痕跡の7割近…

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