東日本大震災で被災した宮城県松島町が、住民向けに実施した災害対応をめぐる意識調査で、ジェンダー平等の観点で疑問の声が上がった。過去の災害時に、避難所での性暴力や生理用品の不足などが問題となり、政府も促す防災への女性参画。専門家はいまだに多くの自治体で意識の低さがあることを指摘する。
町のアンケートに疑問の声
同町は2023年、男女平等な社会を目指す政府の「男女共同参画基本計画」に基づいた町の計画を策定。今年6月、改訂に向けたアンケートを無作為に抽出した18歳以上の町民2千人に郵送した。
その中の設問で、「災害に備えて性別による違いに配慮した取り組みが求められている」とした上で、防災計画の策定に女性が参画▽避難所運営マニュアルに女性の意見を反映▽女性に配慮した避難所の設置――などについて、「どの程度必要だと思いますか」と尋ねた。「必要」「どちらかといえば必要」「どちらかといえば必要はない」「必要はない」の4択で回答を求めた。
住民「女性の声、なくても成立する扱い」
アンケートを受け取った40代女性は「女性の声が『選択肢』扱い。女性の安全確保は他者の選択に委ねられる感じがして怖くなった」と話す。女性が知人に伝えたその設問内容がSNS上で拡散され、「女の声はあってもいいけど、なくても成立するもの扱い」といった批判の声が寄せられた。
内閣府によると、計画に向けたアンケート実施の有無や内容は各自治体に委ねているという。
松島町の担当者は「女性の意…