この避難経路は安全なの?――。岡山県笠岡市にある児童24人の小学校が、地域の防災力を高める独自の取り組みをしている。子どもたちは自ら防災について学び、お年寄りも参加する地域ぐるみの避難訓練を実現。きっかけは、海沿いを通る避難経路に対する子どもたちの素朴な疑問だった。東日本大震災の発生から11日で14年。「学校発」の防災活動を追った。
瀬戸内海望む小学校 避難訓練を機に「防災」を探究テーマに
取り組みを続けるのは、同市神島外浦にある市立神島(こうのしま)外小学校。市南部の海沿いにあり、付近の海抜は3.3メートル。海岸からは片側1車線の県道をはさんで約100メートルの距離にある。校舎のベランダから瀬戸内海の穏やかな風景が望める。
昨年4月のことだ。隣接する同市立神島外中学校と、地震を想定した合同の避難訓練があった。毎年行っている訓練で、前年までは校舎3階に移動する内容だったが、初めて付近の高台にあるお寺まで歩いて避難する内容となった。約700メートルの道のりを10分ほどかけて歩く。経路には海沿いの県道が含まれていた。
「津波が来る恐れがある海側…