教員によって支えられてきた部活動を、どう変えていくべきか。地域移行の意義について、内田良・名古屋大教授(教育社会学)に聞いた。
◇
教員の「ほぼ、ただ働き」によって支えられてきた部活動
これまで部活動は教員の「ほぼ、ただ働き」によって支えられてきました。学校の授業は国の学習指導要領に基づいて計画・実施されますが、部活動はその対象に入っておらず、運営は自主的なものです。本来、教員が本領を発揮しないといけない授業準備の時間などを削り、残業することで維持されてきたのです。
部活動の地域移行を進めたことで、教員の負担が顕在化しました。「やって当たり前」から「本来やらなくていいものを背負っている」というように認識も変わってきた。よくぞ国は踏み込んでくれたといえます。
ただ、現実の進み具合はどうでしょうか。対価を払って第三者に活動を担ってもらおうとしても、人もお金もない。当初、国は2023年度からの3年間を「改革集中期間」として、全都道府県で休日の部活動の地域移行をおおむね達成するとしていました。しかし、指導者不足などの理由から、明確な達成期限を設けない「改革推進期間」に後退しました。
国も行政も学校長も覚悟が必要
それでも、教員の善意に甘え…