挑戦的な部活動改革に取り組んできた保健体育科教諭がこの3月、退職する。38年間、東京都の筑波大付高でサッカー部顧問を務めてきた中塚義実(よしみ)さん(63)。その「部活改革人生」とは――。
原体験は高校時代だ。
「楽しむサッカー」
中塚さんが最初にこの言葉に触れたのは、大阪府立三島高に入った1974年。サッカー部は「主将を中心に練習計画を立てる民主的な部」だった。
初練習、新入生に集合がかかる。「ふるい落としのしごきが始まる」と身構えたが、始まったのは主将の訓話だった。
「おまえら、サッカーにはな…