日経平均株価が今年、バブル経済期の1989年につけた史上最高値を更新しました。同様に高騰しているのが、マンションなどの不動産価格。首都圏では新築分譲マンションの平均価格が1億円を超え、「手が出せない」と思う人も多いのでは。なぜ、これほど上がったのか。かつてのバブル期との違いは。不動産の動向を長年調査している、東京カンテイ上席主任研究員の井出武さんに聞きました。
――近年の不動産価格はどうでしょうか。
「力強く上がっています。東京カンテイの調査では、東京23区の新築分譲マンションの平均坪単価は一昨年は431.4万円で、昨年は576.7万円まで上がりました。2LDK~3LDK程度の20坪換算では、一昨年が約8600万円、昨年は約1億1500万円になります」
「昨年に関しては、都心部で1戸あたり数億円の大規模マンションが売り出されたことが、価格の押し上げ要因にはなりました。ただ、平均坪単価はこの約20年、2002年の211万円を底に基本的には上昇しています」
――都心は「高すぎて買えない」という声もあります。誰が買っているのでしょうか。
「東京23区、特に千代田・…