【連載】高校思い出クリック~青春群像記~

高校をシリーズで紹介する企画。今回は東京都立両国高校の6回目です。

 両国高校で学び、大学の教壇に立った卒業生は少なくない。

 法哲学者で東京大名誉教授の井上達夫(70、1973年卒)は、入試トップの成績で両国高に入学。厳しい授業で知られる英語教師の萩原時哉から、「お祝いだ」とカレッジクラウン英和辞典を手渡された。在学中、大手出版社が主催する全国模試で何度も1位をとったが、「校内の実力テストで1位をとってさえいれば、東大に受かると思っていた」という。

「真のリベラリズム」を説き、「自由の秩序」など多数の著書がある井上達夫=2024年8月21日、佐藤太郎撮影

 実力テストでは、他の生徒の追随を許さなかった。「実力テストのレベルが高くなったのは井上のせい」と、第6回で紹介した同級生の合場直人は話す。教師陣が「井上に満点をとらすな」と気合を入れた、というのだ。

 「井上伝説」はそれだけでな…

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