自由でおおらかな校風で知られる都立豊多摩高校の卒業生には、詩人の谷川俊太郎さんやアニメ映画監督の宮崎駿さんら、多くの文化人がいます。その一人、俳優のイッセー尾形さん(73)に、高校時代の思い出を聞きました。
高校思い出クリック~青春群像記~
高校をシリーズで紹介する企画。今回は東京都立豊多摩高校の1回目です。
自由と平等、そして明日に向かう希望がある、そんな学校だったと思います。卒業生も、自由な発想のまま進んでいく人ばかり。自分もその一人になれたかなと思うと、うれしいですね。
グラウンドの湿った土のにおいと夕焼け
景色として真っ先に浮かぶのは第1グラウンドです。サッカー部で、キーパーを目指していました。夕方になると湿った土のにおいがなんとも言えなくて。そこから見た夕焼けも忘れられない。部室には「ローマは一日にしてならず」ということわざが、英語で書いてありました。弱いくせにしゃれているところが豊多摩っぽいよね。
グラウンドの向こうには「なまけの森」と呼ばれる木立がありました。授業をさぼって森にいる人もいたらしいけれど、なんだか大人の雰囲気だったから、あまり近寄らなかった。
僕たちの代から都立高入試の「学校群制度」が始まって、合格したら豊多摩、杉並、荻窪の3校のどこかに割り振られるしくみでした。豊多摩に入れたのは悪運が強かったなと思いますね。
学校にバリケード、テストも延期
初恋は高校3年のとき。ある…