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農業・食品産業技術総合研究機構の杉浦俊彦さん

 今年も暑い夏となっています。木に実るフルーツは酷暑による被害を受けやすく、今までとは違ったフルーツを育てるなど様々な取り組みが各地で行われています。実情に詳しい専門家の杉浦俊彦さんに話を聞きました。

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 夏の酷暑で、果物づくりは全国で被害を受けています。リンゴ、ミカン、ブドウ、柿などは、平均気温が上がると着色不良になり、最高気温が上がると日焼けして傷みます。売り物にならず、収量が落ちる。近年、価格が高くなっている要因の一つです。

 木に実る果物は一般的に暑さに弱く、北海道から九州まで広く作られている米やタマネギなどの主要な野菜とは異なり、それぞれ適応できる気候や気温の幅も限られます。このまま気温上昇が続けば、2060年代にはいまの主産地の多くでリンゴや温州ミカンの栽培が難しくなるという推計もあります。

 国産の果物は産地ごとにブラ…

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