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環境省のレッドリスト掲載に相当するレベルで減少がみられたミヤマカラスアゲハ=日本自然保護協会提供

 国内の里地や里山に生息する身近なチョウ類や鳥類が、2005~22年度の間に急速に数を減らしているとする報告書を、環境省と日本自然保護協会が1日、公表した。気温の上昇がこうした生き物の減少に大きく影響していることも明らかになった。

 環境省が03年度から全国約1千カ所の定点で続ける生物多様性に関する「モニタリングサイト1000」の取り組みの一環。里地里山の325調査地点についてデータをとりまとめ、18年間の生態系の変化を調べた。

 その結果、日常的に観察できるとされていたチョウ類103種のうち3割以上の34種が、環境省のレッドリストで「絶滅危惧Ⅱ類(絶滅の危険が増大)」と判断される基準の一つである、年間3.5%以上の減少率を示していた。このうち、レッドリストに掲載済みなのは6種のみだった。

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環境省のレッドリスト掲載に相当するレベルで減少がみられたイチモンジセセリ=日本自然保護協会提供

 クロセセリやスギタニルリシジミは減少率が年間20%超で「絶滅危惧ⅠA類(近い将来に絶滅する危険性が極めて高い)」に相当する値だった。日本全土で一般的に見られたイチモンジセセリは同6.9%の減少だった。

 チョウ類の生態に詳しい石井…

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