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校歌斉唱後、応援団に向かって駆け出す中京の選手たち=明石トーカロ、頼光和弘撮影
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 (29日、第70回全国高校軟式野球選手権大会決勝 中京3―2あべの翔学)

 1点リードされて迎えた九回裏、自身に代打が送られた。「後は仲間を信じるしかない」。中京のエース・内野歩投手(3年)はそう心に決めてベンチで見守った。「頼んだ、と言いました」

 力投に応えるべく、打線が奮起する。2死から垣内惺矢中堅手(3年)が左前打で出塁。打線がつながり最後は劇的なサヨナラ勝ち。「めちゃくちゃうれしかったです」

 チームも自身も順風満帆ではなかった。昨秋の東海大会で敗れ、冬は練習を頑張り抜いた。だが今春は県大会で敗れた。「思うような投球ができていませんでした」

 背番号1を背負っていたが、「エース不在」という声が聞こえてきた。「悔しかったです」。ひたすら練習を重ねた。「この夏負けたら終わりだ、という意識を持ち続けました」

 前人未到の4連覇の重圧。スタンドにはその重みを知る身内がいた。兄で双子の光一さん(22)と慎太郎さん(22)だ。

 2021年の夏。光一さんが捕手、慎太郎さんが投手のバッテリーで中京は4連覇に挑んだ。だが、決勝で作新学院(栃木)に0―1で敗れた。その試合を内野投手はスタンドで見守った。

 「悔しかったです。兄ちゃんたちの背中を見て野球を始めて。でも負けてしまって。それでここで日本一になりたいと思って中京に入りました」。飛驒古川の故郷を離れ、寮生活を送りながら野球に打ち込んできた。

 試合前、2人の兄からSNSでメッセージが届いた。いずれも「気楽に頑張っていけよ」という内容だったという。「プレッシャーからちょっと抜け出せました」

 光一さんと慎太郎さんは「プレッシャーがあったと思いますが、メンタルを成長させて乗り越えた。本当にすごい」「僕らができなかった4連覇を成し遂げてくれた。本当に誇らしい」と口々にたたえた。

 父・孝臣さん(48)も含めスタンドの大声援を受けて粘投。9回を被安打3、2失点で完投した。「やっと4連覇できたよ、3年間支えてくれてありがとう、と言いたいです」

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