相場操縦で頭を下げる野村ホールディングスの北村巧・財務統括責任者(CFO)=2024年11月1日午後3時8分、東京証券取引所、堀篭俊材撮影

 証券最大手の野村証券が国債の先物取引で相場操縦をしていた問題で、野村ホールディングス(HD)の北村巧・財務統括責任者(CFO)は1日、9月中間決算を発表した会見で「関係する皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけした。心からおわびする」と謝罪した。

 北村氏は相場操縦が決算に与える影響について、「全体の収益に与えるインパクトは限定的」とした。

 野村証券の社員は2021年、取引を成立させる意思がないのに大量に売買注文を出して取り消す「見せ玉」という手口で不正に価格を操っていた。

 この問題で野村証券は金融庁から2176万円の課徴金納付命令を受けた。同社社長の奥田健太郎氏は報酬の20%を2カ月分、当時社長だった日本証券業協会の森田敏夫会長も当時の報酬の20%を2カ月分返上する。

 また、今年7月に広島市で80代の夫婦が薬物を服用させられた上で自宅に放火され、現金2600万円が奪われた事件で、強盗殺人未遂と現住建造物等放火の疑いで逮捕された男が当時、野村証券の社員だったことがわかった。

 社員はすでに懲戒解雇された。北村氏は「極めて遺憾だ」としたうえで、「ビジネスに与える影響は考慮せざるを得ない。信頼回復につながるアクションを検討したい」と話した。(東谷晃平)

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