量子コンピューターの仕組みを、ディスコのような空間に並んだDJ風のパネルを使って体験できる日本科学未来館の新展示=2025年4月22日、東京都江東区

 すごい技術だけど「難しそう」とのイメージがつきまとう「量子コンピューター」。その理解にあの名曲が一役買うかもしれない。音楽やDJ体験を通じて、その原理や、最新の研究動向を学べる異色の展示が東京・お台場に誕生した。

 日本科学未来館(東京都江東区)に先月から新たな常設展が加わった。その名も「量子コンピュータ・ディスコ」。ディスコのDJが音楽を流すような操作で、量子力学を理解できるとうたう。ゲーム「ドラゴンクエスト」の音楽や、アニメ「ドラゴンボールZ」のテーマ曲、「残酷な天使のテーゼ」など、多くの人が聞いた覚えのある8曲を題材に選曲。これらの曲を複数、量子のように「重ね合わせ」て聞いたり、フロアに流したりして楽しめるのが特徴だ。

 量子コンピューターは、現在のスパコンで何万年かかっても解けないような計算を、短時間で解くようになると期待がかかる。高度な計算はまだできないものの、日本国内でも国産機がつくられるなど世界的に競争の激しさが増している。

量子コンピューターの仕組みを説明する新展示。ディスコのような空間に配置したDJ風のパネルで体験することができる=2025年4月22日、東京都江東区の日本科学未来館

 計算には、電子や原子などミクロの世界で働く物理法則「量子力学」が使われる。

 普通のコンピューターと計算ルールが異なり、まるで楽譜に音符を並べるように、「H」「X」などの「量子論理ゲート」を並べて計算する必要がある。

 科学未来館の展示では、この量子ゲートをまねたブロックを盤上に並べることで、流れる音楽を操作できるのが特徴だ。

 ヘッドホンをつけて記者も体…

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