2022年8月10日、平壌で開かれた全国非常防疫総括会議で討論する朝鮮労働党の金与正副部長。朝鮮中央通信が同月14日に配信した=朝鮮通信

 北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)総書記の妹の金与正(キムヨジョン)朝鮮労働党副部長は28日付で米朝対話に関する談話を発表し、米国が北朝鮮の非核化を目指すなら「愚弄(ぐろう)」することになるとして非核化を拒否した。一方で、対決的な方向に進むのは有益ではなく、トランプ米大統領と正恩氏との個人的な関係は「悪くない」とも言及し、非核化が前提でない対話については可能性に含みを持たせた。

 朝鮮中央通信が29日に伝えた談話で、与正氏は米朝対話について「我が国の不可逆的な核保有国の地位とその能力、地政学的環境も根本的に変わったという事実の認定が前提になる」とし、「米国が変化した現実を受け入れられず、失敗した過去にのみ執着するなら、朝米間の出会いは米国側の『希望』としてのみ残る」と指摘した。

 一方で「新たな思考を基盤に他の接触のルートを模索するのがよい」とも言及。米朝首脳の個人的関係が「悪くないという事実を否定したくはない」ともしており、非核化を前提としない対話については可能性を示唆したとの見方が出ている。

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