中国を訪問している北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)総書記は4日、中国の習近平(シーチンピン)国家主席と北京で会談した。中国国営新華社通信が伝えた。両氏の会談は、習氏が平壌を訪問した2019年6月以来、約6年3カ月ぶり。中朝関係の強化について意見を交わしたとみられる。
金氏は2日午後に専用列車で北京に到着し、3日に天安門広場で開かれた抗日戦争(日中戦争)の戦勝80年を記念する式典に出席。式典では、習氏とロシアのプーチン大統領とともに並び立ち、親しげに会話する様子が国際的な注目を集めた。
中国は、北朝鮮の「最大の後ろ盾」と見られてきたが、近年は関係の冷え込みが指摘されていた。ウクライナ侵攻を続けるロシアに北朝鮮が派兵するなどロ朝が関係を深めているのとは対照的だ。金氏は3日にプーチン氏と会談し、ロシアへの支援継続を約束。プーチン氏が提案したモスクワ訪問を受け入れた。
一方、1期目に金氏と非核化をめぐって会談を重ねたものの交渉が決裂したトランプ米大統領は、金氏との対話に再び意欲を見せる。こうした中、会談では習氏と金氏が中朝関係の強化にどの程度踏み込むかや、対米関係をにらんだ議論が行われるかが焦点となっている。
一方、注目されていた中ロ朝の3カ国首脳による会談は、4日夕までに公表されていない。プーチン氏は4日未明、4日間の訪中日程を終えて北京を離れた。すでにロシア極東ウラジオストクに到着しており、開催されなかったとみられる。