女性のエグゼクティブや富裕層が拡大していることを背景に、時計業界では近年、レディースモデルに力を入れるブランドが目立つようになった。4月にスイス・ジュネーブで開催された見本市ウォッチズ&ワンダーズ(WW)でも技巧をこらした新作が多数く発表された。

ロレックス

 定番モデルを、超ゴージャスに――。ロレックスは、多くの愛好家になじみのあるデイトジャスト31を、イエローゴールドのケースとブレスレットで仕立て、深紅のダイヤル上にあるインデックスのほか、ダイヤルを取り巻くベゼル部分にもダイヤモンドをセッティング(732万7100円)。ケース径は31ミリ。通常は最上級モデルのデイデイトにつけられる3列リンクのプレジデントブレスレットが備わっているのもポイントだ。

 カルティエもブランドの顔ともいえるパンテール ドゥ カルティエのピンクゴールドモデルの超豪華版を発表。ケースに83個、ダイヤルに145個、ブレスレットに314個、そしてリュウズにもダイヤがセットされているほか、ガーネットの一種である宝石のスペサルタイトもふんだんにあしらわれた新作(2376万円)だ。ムーブメントはクオーツ、ケースサイズは36.5ミリ×26.7ミリと小ぶりだが、宝飾ブランドが手がける時計ならではの強い存在感を放つ。

 ジャガー・ルクルトは1931年に発表された、ケースが反転するレベルソの女性向けモデル、レベルソ・ワン・プレシャス・カラーの新作(1997万6千円)が印象的だった。裏面からダイヤルまわりにまで施された幾何学模様でパステルトーンのエナメルは、職人が60時間を費やして15回焼き重ねたもの。平面ではなく曲線部分にエナメルを施すには高度な技術が必要で、277個のダイヤモンドセッティングにも40時間を要したという。

 ムーブメントは機械式の手巻きで、ケースサイズは40ミリ×20ミリ。ダイヤルを内側に反転させて美しい裏面を見せる仕様にすると高級ブレスレットにしか見えない。

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