被害男性と詐欺グループのLINEでのやりとり(画像の一部を加工しています)=2025年7月9日午後2時6分、千葉県内、植松敬撮影

 「詐欺のことは人一倍知っているつもりだった」。千葉県内の金融機関で働く男性(37)は、詐欺グループにだまされて運転免許証の画像を送ってしまい、危うく金をだまし取られるところだった。男性は取材に、金融のプロも舌を巻く詐欺グループの巧妙な手口について語った。

 男性は数年前まで投資信託や保険など個人向け金融商品の営業の仕事を5年間していた。現在は別の部署に所属している。

 「三重県警です」

番号の末尾は110

 6月23日午後2時すぎ、職場に1人でいた男性のスマートフォンに電話があった。登録していない番号だったが、普段から取引先など未登録の番号からの電話は多く、いつも通り電話を取った。

 電話番号は、末尾は「110」だが冒頭に「+」がついていた。詐欺の可能性が頭をよぎり、目の前にあったパソコンで「+」以下の番号を検索すると、三重県警の番号と合致した。

 警察官を名乗る男は、「いとうしんや」という容疑者の名前を挙げ、マネーロンダリング(資金洗浄)の事件で男性を含む100人ほどのクレジットカードが勝手に作られ、不正に利用されている、と説明。男性にも「容疑者の一人として逮捕状が出ている」と言ってきた。

 再びパソコンで「いとうしんや マネロン」などで検索すると、実際にあった資金洗浄事件の記事が出てきた。男の言う内容と同じだった。

男が告げた個人情報は

 「家に令状送りましたけど…

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