閣議後に記者会見する加藤勝信・金融担当相=2025年6月3日午前8時42分、東京都内

 福島県のいわき信用組合の不正融資問題で、加藤勝信・金融担当相は3日の閣議後の記者会見で、金融庁が全容解明のため立ち入り検査に着手したと明らかにした。加藤氏は「経営管理体制の抜本的な見直しを含め、業務改善を強く指導するとともに、改善に向けた取り組みを厳しく確認、検証していきたい」と述べた。

 第三者委員会の調査報告書によると、いわき信組は2004年以降、経営難の大口融資先の不良債権を隠すためなどの理由で、無断で預金者名を使って開いた別の口座に融資したり、営業実態のないペーパーカンパニー3社を経由して融資したりしていた。当時の代表理事らの判断で進められ、不正融資は1293件、総額は約247億円にのぼる。

 また、第三者委の調査に対しても、不正融資リストを管理していたパソコンを職員が「ハンマーで破壊して処分した」と話したり、元会長が手帳やノートを「ゴミとして捨てた」と説明したりと、非協力的だった。

 加藤氏は「財務局が昨年11月に発出した報告徴求命令に対しても、行っていない内部調査を実施済みと報告するなど事実と異なる報告があった」と明らかにしたうえで、「いまだに真相をつまびらかにしようという姿勢がないということは大変遺憾。組織風土を改善する必要がある」と述べた。

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